魚の旨さを引き出す神経締とは!?動画付

真鯛の刺身

スーパーなどで「釣りもの」と書いた魚の値段を見て、「高っ!」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか。

結構値段が違っていて、例えばアジなんかは網で取ったものは何匹か入りで300円とかなのに・・・

釣りものは1,000円とかしちゃったりします。

その違いは何かと言うと、ズバリ締め方なんです。

魚を締めると一口に言っても、大きく分けて3種類あります。

  1. 野締め・・・締めるというかそのまま血抜きも何もしないこと。
  2. 氷締め・・・氷に漬け込んで身の熱を取り去る
  3. 神経締め・・・脊髄を抜いて魚の死んだという信号伝達をたつ。

こんな感じで分かれますが、今回は特に大型魚に有効な「神経締め」についてお伝えしていきます。

※記事の最後に動画つけてます!

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まず腐敗と臭いの原因である血を抜く!

神経締めの前に、大切なのが、心臓が元気なうちに血を抜くことです。

心臓が元気なうちってのがポイントですね。

エラを切って血を抜くのですが、心臓が動いていなければ抜けません。

だから、元気なうちにエラを切って血を抜きます。抜くというよりも、魚の力で抜けるイメージですね。

ピチピチと元気な魚は、ちょっとかわいそうですが、ドバドバと血が抜けていきます。

バケツに海水を汲んで逆さまにしてつけておくとしっかり抜けますよ。

この血を抜くという作業はある意味「締める」ことよりも大切だと思います。

なぜなら、魚の腐敗は血から始まっていくから。

また、この血を媒体として雑菌も繁殖しやすくなり、よくある「生臭い」の原因になるのです。

小型の魚(アジや鯖)では神経抜きはしないけれど、血抜きはしっかりやる、ということも多いです。

そして神経を抜く。その理由は?

しっかりと脱血ができれば、いよいよ神経締めです。

どのようにするかは記事の後半にある動画を観てくださいませ。

その前に、神経を抜く理由はご存知でしょうか?

それは、魚に限らず、動物全般に言える、生から死、そして自然へ戻る過程を理解すればよくわかります。

■動物が死ぬとどうなるか?

  1. 心臓が止まり、脳も停止する。
  2. 全身に「死んだぞ」という信号が伝えられる。
  3. 死んだという信号を受けて、筋肉(細胞)が硬直していく。(死後硬直)
  4. 硬直がとけ、筋肉はアミノ酸へと分解されていく。
  5. 栄養となりバクテリアや微生物に食べられ土や海に帰流。

これが、生から死、そして自然の中へ帰っていく過程です。

かっこよくいうと止まらないルールなのです。

この止まらないルールは、止めることはできませんが、遅くすることはできます。

それが神経締めというわけです。

なんで遅くする必要があるの?と思いますよね。

その一番の理由は、やはり足の速い(痛みの速い)魚を長く楽しむため。

昔々は冷蔵庫や保冷技術などありませんから、海のそばで獲った魚を市中へ持っていくまでに鮮度をなるべく保とうとしたわけです。

今も、これに似た状況として、例えば長崎で獲れた魚を輸送して東京で食べる。なんていうときにもやはり締めていることがポイントになるのです。

しかししかし。これよりも今、大事にされている神経締めが尊ばれる理由があります。

それが・・・旨味の増幅!です。

簡単に、今風に言ってしまえば熟成です。

神経を抜くことで、腐敗までの過程がゆっくりと進行する。

そして、ゆっくりと進む間に、たんぱく質がアミノ酸へ分解される量が増えると。

例えば、立派なお寿司屋さんで供される魚は、魚種に合わせて適度に「寝かせる(熟成させる)」と言います。

これにより、旨味が増すという訳ですね。

しかし!一つ注意点があります。

魚の熟成に関しては、食感とのトレードオフとなります。そこの見極めが難しい。

私も経験上知っていますが、確かに熟成すると旨味は増しますが、同時に食感は柔らかくなります。ですが、その食感も適度に残しつつ旨味を増やすというのは、やはり熟練の見極めによるところが大きいと思います。

※衛生管理、温度管理も需要なので、3日以上などの熟成は素人には無理!

また、余談ですがよく「この魚コリコリして美味しい!」という話聞きませんか?

このコリコリにも2種類あると思っています。

ひとつが、釣りたて(生簀から出したて)を捌いた場合。

これは、私も美味しいと感じます。旨味はまだ乗っていませんが、生きている身のコリコリというよりクニュっとした食感。そして新鮮ゆえの爽やかな風味がたまりません。

が、もう一つのコリコリは、いわゆる死後硬直のコリコリです。

これはゴニュっとした感じでしょうか。この状態を魚屋では「しまる」といい、前述したクニュクニュ状態を「いきている」と呼びます。

もちろん「いきている」状態がいいのですが、神経じめとごっちゃになるのでややこしいですね。

ただ、その死後硬直で硬くなった(しまった)状態も、いずれは解けて熟成状態に入ります。

重ねての話になりますが、神経締めを行うとその硬くなるまでの時間を遅くすることができる訳ですね。

釣りもが、網で穫ったものより旨い理由。

①活きたまま船上に上げる。

釣りものは、魚がかかったら、ゆっくりと引き上げ、船上に上げます。もちろん、船上ではピチピチと活きがいい訳です。

しかし、網の場合は、全てとは言いませんが、網の中で身動きが取れず、死にます。

死なずに船上に上がってきても、傷付いていることが多く、魚自体が弱っています。

②血抜きがしっかりできる。

活きている=元気。ということです。

魚の臭みは血から発生しますが、心臓が元気なうちにエラを切ることで、体中の血=臭みのもとが排出されます。

しかし、死んでしまった魚は血抜きそのものができません。

だって、心臓が動いていないのですから。

しかも、魚は死んだ直後から血が固まっていきます。元気なうちが勝負です。

③活きがいい状態で、「神経を抜く」。これが旨味を増幅します。

九州では特に、「神経抜き」という技にこだわります。

これは、魚が死ぬ前に、脊椎の神経を特殊な針金などで取り去ることで、脳から体中へ伝達される信号を止める、という凄い手法。

通常、魚に限らず動物は、死んだ直後から「死後硬直」という状態に移行し、文字通り全身がカチカチに固まります。

このカチカチが解けてくると、腐敗に近づいていくのです。

ですが、「神経締め」により死後硬直に入るタイミングを大幅に遅らせることができるんです。凄いですよね!

少し大ざっぱな言い方ですが、魚は死んでいるのに、体は「死んでいない」という状態で保存できるのです。

そしてその状態が長い程、旨味が増していきます。

以上、九州の釣りもの魚の特徴である「活け締め・神経締め」のご紹介でした。

動画で見る神経締め(神経抜き)

■アマダイの神経締め。

色がサッと変わるのがポイント。バッチリ決まったら「お前はもう死んでいる」と言いたくなるかも!?

■ヤズ(ブリの幼魚、関東ではイナダやワラサ)の神経締め。

コイツらとにかく筋肉が凄くてビチビチと暴れますが・・・神経締めをした途端、シュンッってなるんです。

■ちなみ神経抜きの道具は色々ありますが、下記の分は使いやすいですよ。

■神経締めの魚を取り寄せするならコチラ。
活け締め・神経抜きの魚は「おぎはら鮮魚店」で全国へ!

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コメント

  1. かつ より:

    >神経絞め
    コレやってみようと道具の形状記憶ワイヤー買おうとして
    魚体の長さに合ったワイヤーが必要だと知り
    80cm買おうか迷ってますw
    (普段は50クラス以下しか釣ってないけどw)

    関アジ釣りの時は、釣れた端からアジ・サバの首を折ってバケツに頭から突っ込みます
    血が抜けたところでクーラーに入れます。
    (のどのところを切って上に折る)

    鮎はクーラーにキンキンに冷えた氷水作って、その中にドボン!
    痙攣?して2秒位で死にます。
    (姿焼きなどで見た目が綺麗なようにこのやり方なのかな?)

    磯釣りとかだと、普通に目玉の斜め後方にナイフ突き刺してました。
    (魚が弱ってると効きませんね)

    以上、釣りの先輩方から教わったまま、理由も解らずやってきたw

    • kyushu-umare より:

      そうなんですよね。魚のサイズに合わせて長さもいろいろ、太さもいろいろです。

      こんど追記しておきます。

      ちなみに、青物は形状記憶ワイヤー(くねくね)が良いですが、
      真鯛やキジハタなどはハリのあるもの(くねくねしない)ものも使いやすいです。

      私は某活魚センターで2時間教えてもらって、そこのワイヤーを2種類いただきました。
      真鯛用は、先から2cmくらいのところをほんの、ほんの少しクイッと曲げていました。

      鯛を寝かした状態で、鼻からさした後、ほんの少し上に神経があるのでということでした。

      アジなどでもブランド品は神経締めするそうですね。

      鰆に関しては、今の主流は「神経締めをしない」だそうです。
      その分速やかに血抜きして、海水氷水に漬け込むとか。

      私も研究中なのでまた情報あれば教えてください!